<Header>
<Author: 白居易>
<Title: 香爐峯下新卜山居草堂初成偶題東壁>
<Format: 七言律詩>
<Year: 1964>
<BookName: 漢詩大系  白樂天>
<Translator: 田中克己>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 香爐峯下、新に山居をトし、草堂初めて成る。偶、東壁に題す。>
<BookPage: 263-265>
<UsedPage: 3>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
日高睡足猶慵起，
小閣重衾不怕寒。
 遺愛寺鐘欹枕聽，
香爐峯雪撥簾看。
 匡廬便是逃名地，
司馬仍為送老官。
 心泰身寧是歸處，
故鄉可獨在長安。
<End Poem>
<Translation>
五架三室の新しいカヤぶきの家 石の階段、カッラの柱に竹のあみ垣。南ののきは日がはいるので冬もあたたかく 北の戸はは風がはいるので夏もすずしい。階段の下の石だたみには飛泉が水滴をとばし 窓ぎわの斜竹はわさと乱雑に植えてある。 来年の春は東のひさしの間を増築し 紙の降子によしずをかけて孟光どのを入れようよ。たけ高い松の木の下で小さい山川のほとりに わたしは斑鹿胎の頭巾をつけ白い葛布の冬着を着ている。薬草畑と茶畑とがわが財産で 野生のシカと林中のツルがわが友だ。雲が谷間から起ってきて衣裳をしめらし 嵐がこの山中のわが家の台所にはいってくるので、わたしのいちばんうれしいのは、泉を一つ引けてそれが 清くすずしくわが家の階段下の石だたみをめぐって流れていることだ。朝日は高くのぼり睡眠も十分なのに起きるのがめんどうだ。このへやではふとんを何枚もかけていて寒くもない。遺愛寺の鐘の音は枕の上のあたまをちょっともたげてきくし 香爐峰の雪もすだれをはねて見るだけだ。ここ廬山こそは俗世間の評判からのがれる土地だし 司馬の職ももともと隠居に適した役だ。心が安泰で身体が安全ならそこが安住の地で 故郷は長安にあるとはかぎってない。
<End Translation>
<Formatted Translation>
五架三室の新しいカヤぶきの家 
石の階段、カッラの柱に竹のあみ垣。
南ののきは日がはいるので冬もあたたかく 
北の戸はは風がはいるので夏もすずしい。
階段の下の石だたみには飛泉が水滴をとばし
窓ぎわの斜竹はわさと乱雑に植えてある。 
来年の春は東のひさしの間を増築し 
紙の降子によしずをかけて孟光どのを入れようよ。
たけ高い松の木の下で小さい山川のほとりに 
わたしは斑鹿胎の頭巾をつけ白い葛布の冬着を着ている。
薬草畑と茶畑とがわが財産で 
野生のシカと林中のツルがわが友だ。
雲が谷間から起ってきて衣裳をしめらし 
嵐がこの山中のわが家の台所にはいってくるので、
わたしのいちばんうれしいのは、泉を一つ引けてそれが 
清くすずしくわが家の階段下の石だたみをめぐって流れていることだ。
朝日は高くのぼり睡眠も十分なのに起きるのがめんどうだ。
このへやではふとんを何枚もかけていて寒くもない。
遺愛寺の鐘の音は枕の上のあたまをちょっともたげてきくし 
香爐峰の雪もすだれをはねて見るだけだ。
ここ廬山こそは俗世間の評判からのがれる土地だし 
司馬の職ももともと隠居に適した役だ。
心が安泰で身体が安全ならそこが安住の地で 
故郷は長安にあるとはかぎってない。
<End Formatted Translation>